日産ノートE12の純正ナビ周りのカスタムやDIYに挑戦しようとする際、多くの方が直面するのが配線の問題です。ご自身で作業を進めるためには、まず正確な配線図を入手し、ACC電源ナビの確保や電源取り出し、さらには複雑なオーディオ配線の系統を理解する必要があります。また、走行中のナビ操作に不可欠な車速信号の位置特定も鍵となります。年式やナビのモデルによっては24ピン配線図のような特殊な情報が求められることもあり、正しいコネクタ番号の特定が作業の成否を分けることも少なくありません。この記事では、失敗や後悔を避けるために、日産ノートe12純正ナビ配線に関する情報をどのように集め、安全にDIYを進めていけばよいのか、その具体的な方法と注意点を網羅的に解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
- ナビ配線作業に必要な基本情報の種類と内容
- 年式やナビのモデルによる配線の違いと注意点
- 信頼性の高い配線図やコネクタ情報を入手する具体的な方法
- DIY作業を安全かつスムーズに進めるための情報収集のコツ
日産ノート e12 純正 ナビ 配線の基本情報
- まずはナビのモデルに合う配線図を探す
- DIYの基本となる電源取り出しの方法
- acc電源をナビ裏から確保するポイント
- スピーカーなどオーディオ配線の系統
- 車速信号やバック信号の接続先を確認
まずはナビのモデルに合う配線図を探す

日産ノートE12のナビ配線作業に着手する上で、全ての基本となるのがご自身の車両に搭載されているナビのモデルに適合した配線図です。なぜなら、配線図がなければ、どの色の配線がどのような役割を持っているのかを正確に把握できず、手探りでの作業は車両やナビ本体の故障に直結する危険性が非常に高いためです。
例えば、日産純正ナビには「MM317D-W」や「MC315D-W」、「MM115D-W」など、多くのモデルが存在します。これらのモデルごと、あるいは年式やグレードによってコネクタの形状やピンの配置、配線の色が異なるケースが少なくありません。ディーラーで情報を得ることが難しい場合も多いため、インターネット上の整備手帳や専門サイトで、自身のナビ型番(例:「MM317D-W 配線図」)をキーワードに検索することが情報収集の第一歩となります。このとき、複数の情報源を照らし合わせ、信憑性を確認する作業が大切になります。
DIYの基本となる電源取り出しの方法

ナビゲーションシステムやドライブレコーダー、ETCといった電装品を後付けする際、必ず必要になるのが電源の確保です。電源には主に3つの種類があり、それぞれの役割を理解して適切な場所から取り出すことが求められます。
#### 主な電源の種類と役割
- 常時電源(BATT/バッテリー電源): エンジンが停止していても常に電力が供給される電源です。ナビの時計や設定情報の記憶などに使用されます。
- アクセサリー電源(ACC): キーをACCポジションにしたときに電力が供給される電源です。ナビやオーディオの主電源として利用されることが多く、エンジンを切るとOFFになります。
- イルミネーション電源(ILL/ILLUMI): 車両のライト(スモールランプ)を点灯させると電力が供給されます。夜間にナビ画面の輝度を下げたり、ボタンを点灯させたりするために使われます。
これらの電源は、ナビ裏のメインコネクタ(多くは20ピン)から取り出すのが一般的です。市販の電源取り出しハーネスを利用すれば、車両側の配線を傷つけることなく、簡単に各電源を分岐させることが可能になります。
acc電源をナビ裏から確保するポイント

前述の通り、多くの電装品で必要となるのがACC電源です。日産ノートE12の場合、ナビ裏に接続されている20ピンコネクタからACC電源を取り出すのが最も確実で簡単な方法と考えられます。
データベースの情報によれば、ノートE12のナビ裏20ピンコネクタでは、3番ピンが青色のACC電源線であるとの情報が見られます。ただし、これはあくまで一例であり、ご自身の車両で作業する際には必ずテスターを使用して検電することが不可欠です。キーをOFFにした状態で0V、ACCポジションにしたときに約12Vの電圧が確認できれば、それがACC電源線で間違いありません。
サブウーファーや追加モニターなど、消費電力の大きい機器を接続する場合は、電源の容量に注意が必要です。ナビのACC電源から多くの電力を取り出すと、ナビ本体の動作が不安定になったり、ヒューズが切れたりする可能性があります。そのため、大きな電力を必要とする機器は、ヒューズボックスから専用の電源取り出しヒューズを使って、独立した電源を確保することが推奨されます。
スピーカーなどオーディオ配線の系統

ナビの交換やスピーカーの増設、サブウーファーの追加などを検討する際には、オーディオ関連の配線を理解しておく必要があります。オーディオ配線も、通常はナビ裏の20ピンコネクタに集約されています。
20ピンコネクタには、フロントスピーカー(左右)とリアスピーカー(左右)の、それぞれプラス(+)とマイナス(-)の配線が含まれています。一般的な構成では、合計8本のスピーカー線がこのコネクタに接続されています。スピーカーを交換する際は、このプラスとマイナスの極性を間違えずに接続することが、音質を最大限に引き出すための鍵となります。
また、社外のパワーアンプやサブウーファーを接続する場合、ナビ側にRCA出力(プリアウト)端子があれば高音質な接続が可能です。もしRCA出力がないモデルの場合は、スピーカーラインの信号をRCAレベルに変換する「ハイローコンバーター」という機器を使用することで、アンプやサブウーファーを接続できるようになります。
車速信号やバック信号の接続先を確認

ナビゲーションシステムが自車の位置を正確に把握するためには、GPSからの情報に加え、車両からの信号が欠かせません。その中でも特に重要なのが「車速信号」と「パーキングブレーキ信号」、そして「バック(リバース)信号」です。
- 車速信号: 車両の速度に応じてパルス信号を出力します。GPSの届かないトンネル内や高架下でも、この信号を基に走行距離を計算し、自車位置を補正します。
- パーキングブレーキ信号: 安全のため、走行中にナビの特定操作やテレビ視聴を制限するための信号です。
- バック信号: シフトレバーをリバースに入れると電圧が出力される信号で、バックカメラの映像に切り替えるトリガーとなります。
これらの信号線は、ノートE12の場合、ナビ裏の12ピンコネクタに接続されていることが多いようです。情報源によれば、車速信号は1番ピン(青/黒)、バック信号は9番ピン(黄色)といった具体的なピン配置が示されています。しかし、これも年式やナビの仕様によって異なる可能性があるため、作業前には必ず実車での確認が推奨されます。
日産ノート e12 純正 ナビ 配線の詳細チェック
- コネクタ番号と形状を確認する重要性
- 24ピン配線図の情報を読み解く
- ナビ型番による配線の違いに注意する
- テレビキットで必要なパーキング信号線
- 日産ノート e12 純正 ナビ 配線の情報収集術
コネクタ番号と形状を確認する重要性

配線作業を進める上で、配線の色だけで判断するのは非常に危険です。同じような色の配線が複数存在することもあるため、どのコネクタの何番ピンにある配線なのか、という「コネクタ番号」と「ピン配置」の情報が極めて大切になります。
例えば、日産純正ナビ「MM317D-W」の例では、背面に複数のコネクタが存在します。電源関連の20ピンコネクタ、車速信号などが含まれる24ピンコネクタ、ドライブレコーダー用の8ピンコネクタ、USB用の4ピンコネクタなど、それぞれ役割が異なります。作業を始める前に、取り外したナビの背面を見て、自分がこれから作業する対象のコネクタがどれなのかを、ウェブ上の写真や配線図と見比べて確実に特定するステップが不可欠です。
特に、テレビキットの取り付けなどで車両側の中継コネクタにアクセスする場合、似たような形状のコネクタが隣接していることもあります。誤ったコネクタに製品を割り込ませてしまうと、車両のシステムに異常をきたす恐れがあるため、コネクタの形状やピンの数、配線の色などを総合的に見て慎重に判断することが求められます。
24ピン配線図の情報を読み解く

比較的新しいモデルの純正ナビでは、従来の12ピンコネクタに代わり、より多くの情報が集約された24ピンコネクタが採用されている場合があります。データベースにあった「MM317D-W」の例では、この24ピンコネクタに車速信号、パーキングブレーキ信号、バック信号だけでなく、アラウンドビューモニターの信号なども含まれていることが示唆されています。
24ピンコネクタの配線図を読み解く際は、ピンの番号がどのように振られているかを確認することから始めます。コネクタの背面(配線が出ている側)から見るか、前面(嵌合する側)から見るかで番号の並びが逆になるため注意が必要です。信頼できる配線図には、通常、どちらから見た図であるかが明記されています。
もし24ピンコネクタから特定の信号を取り出したい場合、どのピンが目的の信号線なのかを正確に特定しなければなりません。情報源が複数ある場合は、それらの情報を比較し、最も確実性の高い情報を基に作業を進めることが、トラブルを未然に防ぐ上で有効な手段となります。
ナビ型番による配線の違いに注意する

これまでにも触れてきましたが、最も注意すべき点の一つが、ナビの型番によって配線仕様が異なるという事実です。同じ日産ノートE12に搭載されている純正ナビであっても、「MM115D-W」「MC315D-W」「MM317D-W」では、コネクタの構成やピン配置が全く同じとは限りません。
例えば、あるモデルでは車速信号が12ピンコネクタに入っていても、別のモデルでは24ピンコネクタに統合されている、といったケースが考えられます。また、テレビアンテナのコネクタ形状(GT13など)や、ETC2.0連携用の専用コネクタの有無などもモデルによって異なります。
したがって、インターネットで情報を集める際には、単に「ノートE12 ナビ 配線」と検索するのではなく、「ノートE12 MM317D-W 配線」のように、ご自身のナビの型番を必ず含めて検索することが、的確な情報にたどり着くための最短ルートと言えます。型番はナビの取扱説明書や、ナビ本体の前面パネル、あるいは起動画面などで確認することができます。
テレビキットで必要なパーキング信号線

走行中にテレビやDVDを視聴可能にする「テレビキット」の取り付けは、人気の高いDIYカスタムの一つです。このキットの基本的な仕組みは、ナビが受信しているパーキングブレーキ信号を擬似的に操作し、車両が停車しているとナビに認識させるというものです。このため、パーキングブレーキ信号線がどの配線なのかを特定することが作業の中心となります。
ここで注意が必要なのは、情報源によってこの信号線の色が異なっている点です。
信号名 | 配線色 | コネクタ | 情報源の例 |
---|---|---|---|
パーキングブレーキ信号 | 紫/赤 | ナビ裏12Pコネクタ 7番 | 整備情報資料 |
パーキングブレーキ信号 | 青/黄 | 車両中継12Pコネクタ | MC315D-Wの整備手帳 |
このように、同じノートE12でも、年式、グレード、あるいはナビのモデルによって配線の色が異なる可能性が示されています。青/黄色の配線が32ピンカプラーの特定の位置にあるとの詳細な情報もあるため、ご自身の車両がどちらの仕様に該当するのかを見極める必要があります。テレビキットを取り付ける際は、キットの取扱説明書をよく読むことはもちろん、複数の情報源を参考にし、最終的にはテスターでパーキングブレーキを操作した際にアースに落ちる(0Vになる)ことを確認してから接続するのが最も安全な方法です。
日産ノート e12 純正 ナビ 配線の情報収集術

- 検索時は必ずナビの「型番」をキーワードに含める
- 個人の「みんカラ」などの整備手帳は写真が多く参考になる
- 複数の整備手帳を比較し、情報の共通点や相違点を確認する
- 配線キットメーカーのウェブサイトで公開されている車種別取付情報も非常に有用
- 配線の「色」だけでなく「コネクタ形状」と「ピン番号」を重視する
- 年式やマイナーチェンジ前後で仕様が異なる可能性を常に念頭に置く
- 車速信号、パーキング信号、バック信号はナビの基本動作に関わる重要配線
- 電源を取り出す際はACC電源、常時電源の役割を理解する
- 大電力の機器はヒューズボックスから独立して電源を確保する
- パーキングブレーキ信号線は年式等で色が違う可能性があり要注意
- 作業前には必ずテスターでの検電を習慣づける
- 配線図はあくまで参考資料とし、最終判断は実車確認で行う
- 少しでも不安があれば無理せず専門家に相談する勇気を持つ
- DIYは自己責任であることを理解し、安全対策を万全に行う
- 情報収集の段階で、作業全体の流れを具体的にイメージしておくことが成功の鍵
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